世界に影響が広がったカラクリ
アメリカの低所得者向け住宅ローン「サブプライムローン」の焦げ付き急増問題は、ご承知のとおり、世界に波及しています。
今年7月に入って、サブプライムローンを担保にした債券の格付けが一斉に引き下げられた影響を受け、IKBドイツ産業銀行傘下のヘッジファンドはサブプライムローン債権を担保にした債券の取引に失敗したと報じられ、イギリスではヘッジファンドのケンブリッジプ・プレリスが運用に失敗したファンドの解散を決めました。
そのほか、中国の国有商業銀行の一角である中国銀行が投資に失敗したなどといったことも報道されました。
このように、サブプライムローン問題の影響が世界に広がっているのには、サブプライムローンの債権を小口に証券化した金融商品が、世界の債券市場で広く取引されているという事情が背景にあります。
アメリカでは、90年代初頭に多数の貯蓄貸付組合(S&L)が破たんし、金融危機に陥りました。
その教訓から、銀行が多額の不良債権を一時に抱え込まないように、ローン債権を広く取引できる債券市場を育ててきたという経緯があります。
債券市場の発達は、一つの金融機関が巨額の不良債権で突然、危機的状況に追い込まれる危険を確かに減らしました。
しかし、債券が世界中で取引されるために、今回のサブプライムローン問題では、米国内の特定
業種の経営悪化が、瞬く間に世界中に拡散するという側面を浮き彫りにすることになりました。
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